政権交代と 人類の熟成度

昨今の日本の政治で、自民党の混乱、民主党の台頭で、にわかに政権交代が騒がれています。

人類の歴史で、政権の交代が、流血なしに、かつ頻繁に行われるようになって、
まだ非常に歴史が浅いし、まだほんの一部の国だけしか、平和的政権交代が行われていません。

過去、政権交代は、戦争内乱、暗殺、軍事クーデターなど、
決して平和裏に行われてきませんでした。

徳川幕府までの日本も、政権交代は、すべて「いくさ」「クーデター」という形式を採ってきたし、世界も、民主主義が確立するまでは、全く平和裏の政権交代がありませんでした。

政権は、「権力」の最大の象徴です。人間の最高の欲である、支配欲を満たす最大のものです。

北朝鮮、中国共産党は言うに及ばず、日本の自民党一党の数十年の歴史も、
支配欲、権力欲の魅力に勝てない人間が、ただ自分の欲のために、政権に固執しているために、だらだらと、政権交代がなされないまま来てしまいました。

マキャベリ曰く、「権力はそのものの特性、持続によって腐敗する」

権力、それ自体、また権力の長期保持が、人間を変質させると言っています。
だから、人間が変質して、妙なゆがんだ政治になる前に、法律で自動的に、
個人を政権の座から、追放しなければなりません。

長期政権そのものが悪なわけです。

大統領は4年、日本の衆議院も4年、知事も4年を任期と定めているわけです。

政治は、本当は、人民に奉仕するために存在しているのですが、
その考え方を、身にしみて 実行している政治家は、世界中見渡しても、非常に数が少ないと思います。

人類の熟成度は、いいかえれば、「政権に対して、どれだけ、その中枢に居る人間が、軽く考えられるか、執着しないか」かも知れません。
固執するような、強大な権力であればあるほど、執着からの決別をしなければならないわけです。

会社もそうで、人間、社長を30年、40年やっているような会社は、まず、
それ自体が活性を奪うことになり、社員は息苦しさを増すばかりです。

公務員もそうです。
官僚が、自分の保身を考えた瞬間、官僚による行政は腐敗するわけですが、
官僚が終身雇用である、日本のシステム自体が、もう限界であるわけです。

政権に対する、人間個人個人の執着を捨て、「国民への奉仕」が100%になった瞬間、政治は激変するでしょう。
その意味でも、政権交代は人間の欲がある限り、国民の義務でもあります。

2008年12月28日

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